だけれど他の誰でもないアナタの為に
がちゃってドアが開いた音がした。
帰ってきた、と思ったら あなたは開口一番「今日ご飯食べてきた」だって。
ごめんの一言もなしに、ネクタイを緩めて
わたしの好きなバラエティから野球にチャンネルを変えて、
「ビール」、だなんて偉そうに。
それでも疲れてるんだろうなって、
冷蔵庫から缶ビールをとりだす、コップにそそぐ。
わたしは彼の分の用意したおかずたちをラップにくるむ。
一人で食卓テーブル、いただきますと小さくつぶやいて
もう冷えてしまったおかずに箸を伸ばす。
せっかく鳥の照り焼き上手にできたのになあ。
こないだ失敗したから挽回しようと思ってがんばったんだけどなあ。
ねぎの入ったお味噌汁好きだって言うから、今日作ったんだけどなあ。
あなたに聞いてほしい話があるのになあ、教えてほしいことがあるのになあ。
あなたの目は野球に夢中でこっちなんかちっとも見てくれない。
もうだめ、涙がとまんない。
鼻をすする音が聞こえたのか、
あなたはやっと野球じゃなくわたしを見てくれた。
ぎょっとした顔をして、どうした?だって。
今更遅すぎるのよ、もうそんな言葉通じないのよ。
一人でごちそうさまをして、茶碗を片して洗う。ごしごしごしごし。
不安がってわたしの顔を覗き込む。
ごしごし、洗って流した水浸しの食器、ふたりぶんの食器。
隣であなたがそれを拭く。
いつもやらないのに、なんにも言わないのに。
どうせあなたはわたしの孤独になんて気づきもしないくせに。
自分ばっかり偉そうにしちゃって、
もうご飯なんて作ってあげないつもりだったのに。
伸びてきた手がわたしの頭を優しく包む。
いーこ、いーこ のつもり?
でもそれが不覚にも、すごくすごく嬉しくて、また泣いた。
ばか、ばか、
「ごめん、俺が悪かった」なんて当然じゃない。
「明日からご飯作ってあげない」
「ううう、ごめんなさい、作ってください」
「野球だけ見てればいいじゃない」
「ごめんね、ごめん。」
「…ハーゲンダッツ」
「わかった、何味」
「チョコと抹茶とストロベリーとバニラ」
「…わかった」
「一緒に買いに行こう?」
困ったように笑うあなたの手をとって、
その片方の手で涙をぬぐって、大きく頷いてあげる。
許してあげるから、明日もあったかいご飯つくって待っててあげるから
ちゃんと帰ってきてね、わたしの話 聞いてね。
帰ってきた、と思ったら あなたは開口一番「今日ご飯食べてきた」だって。
ごめんの一言もなしに、ネクタイを緩めて
わたしの好きなバラエティから野球にチャンネルを変えて、
「ビール」、だなんて偉そうに。
それでも疲れてるんだろうなって、
冷蔵庫から缶ビールをとりだす、コップにそそぐ。
わたしは彼の分の用意したおかずたちをラップにくるむ。
一人で食卓テーブル、いただきますと小さくつぶやいて
もう冷えてしまったおかずに箸を伸ばす。
せっかく鳥の照り焼き上手にできたのになあ。
こないだ失敗したから挽回しようと思ってがんばったんだけどなあ。
ねぎの入ったお味噌汁好きだって言うから、今日作ったんだけどなあ。
あなたに聞いてほしい話があるのになあ、教えてほしいことがあるのになあ。
あなたの目は野球に夢中でこっちなんかちっとも見てくれない。
もうだめ、涙がとまんない。
鼻をすする音が聞こえたのか、
あなたはやっと野球じゃなくわたしを見てくれた。
ぎょっとした顔をして、どうした?だって。
今更遅すぎるのよ、もうそんな言葉通じないのよ。
一人でごちそうさまをして、茶碗を片して洗う。ごしごしごしごし。
不安がってわたしの顔を覗き込む。
ごしごし、洗って流した水浸しの食器、ふたりぶんの食器。
隣であなたがそれを拭く。
いつもやらないのに、なんにも言わないのに。
どうせあなたはわたしの孤独になんて気づきもしないくせに。
自分ばっかり偉そうにしちゃって、
もうご飯なんて作ってあげないつもりだったのに。
伸びてきた手がわたしの頭を優しく包む。
いーこ、いーこ のつもり?
でもそれが不覚にも、すごくすごく嬉しくて、また泣いた。
ばか、ばか、
「ごめん、俺が悪かった」なんて当然じゃない。
「明日からご飯作ってあげない」
「ううう、ごめんなさい、作ってください」
「野球だけ見てればいいじゃない」
「ごめんね、ごめん。」
「…ハーゲンダッツ」
「わかった、何味」
「チョコと抹茶とストロベリーとバニラ」
「…わかった」
「一緒に買いに行こう?」
困ったように笑うあなたの手をとって、
その片方の手で涙をぬぐって、大きく頷いてあげる。
許してあげるから、明日もあったかいご飯つくって待っててあげるから
ちゃんと帰ってきてね、わたしの話 聞いてね。
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かたかた、うるさくしてごめんねって
そう、心の中でつぶやく。
隣で眠る君はいま口をあけて、右目は半目。
なんてぶさいく。とてもいとしい。
「いた、」
ごつんと壁にひじをぶつける君。
これで3回目、僕は笑いをこらえるのに必死だ。
そう広くはないベッドの上、
寝相が良いとは言えない君の隣で僕は
かたかた キーボードをかなでる。
ああでもない こうでもないと悩んでる僕のテリトリーは狭い。
とてもせまい。
あともう少しで終わるからさ、
あとちょっとで君を抱きしめて眠るからさ
君の夢に僕が一瞬でも存在できたらいいなあと思うんだ。
ごつんとまた音が響いて
君はうつろな意識のなか「いたっ」とまた小さく言う。
僕の口角はあがる、目が細まる。
そのまま目をつむって頬にキス、おやすみ僕のいとしい人。
きみがいるってそれだけで、今僕はこんなにもしあわせ。
そう、心の中でつぶやく。
隣で眠る君はいま口をあけて、右目は半目。
なんてぶさいく。とてもいとしい。
「いた、」
ごつんと壁にひじをぶつける君。
これで3回目、僕は笑いをこらえるのに必死だ。
そう広くはないベッドの上、
寝相が良いとは言えない君の隣で僕は
かたかた キーボードをかなでる。
ああでもない こうでもないと悩んでる僕のテリトリーは狭い。
とてもせまい。
あともう少しで終わるからさ、
あとちょっとで君を抱きしめて眠るからさ
君の夢に僕が一瞬でも存在できたらいいなあと思うんだ。
ごつんとまた音が響いて
君はうつろな意識のなか「いたっ」とまた小さく言う。
僕の口角はあがる、目が細まる。
そのまま目をつむって頬にキス、おやすみ僕のいとしい人。
きみがいるってそれだけで、今僕はこんなにもしあわせ。

