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だけれど他の誰でもないアナタの為に
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ずっと、変わらずにおれの隣にいたんだ。
一通メールしただけで、すぐに呼び鈴が鳴るほど、近くで生きていたのに。

「東京の大学に、行こうと思う。」

ばかじゃねえの、と思った。
「大学ならこの辺にだってある」と言ったおれの言葉は
彼女の強い意志の前だと何の意味も持たない。
東京でしかできないことがある、そうまぶしい瞳で言われた。
焦って、困って、途方に暮れているおれに対して絵美の表情は
少し困ったような笑顔だったんだけど、揺るがない瞳を潜めていた。
おれに好きだと言った時のようだ、と思った。少し違うかも知れないけど。
ずっと変わらないという意志のもとの、瞳。

「じゃあ…遠距離?」
「うん、智也がよければ、そうしたい」
「よければって、もう行くことは決めたんだろ?」
「ははは。そうなんだけどね」

そっか、と何度も繰り返す僕に絵美は突然にっこりと、笑う。

「ともや、すきだよ。変わらないよ。きっとずっと、大丈夫」
「…そうなんだけど」
「不安?」
「まあね。」
「寂しい?」
「そりゃあね」
「智也浮気しないでね」
「するかも、とか言って」
「できないくせに」
「…おれ嘘つけないしね、」
「わたしにめろめろでしょう?」
「あーはいはいそうです めろめろです、めろめろー」
「…浮気、ほんとにやだよ」
「しねーよ。」
「そっか、んっと…ありがと」

彼女の手を掴んで、ずっと離さないでいれたらどんなに幸せなんだろう。
いや、それって幸せなのか?おれは束縛ヤローなのか?
でも今泣きそうだ。
だめだ、絵美がいない未来を現実的にぶつけられる日がくるなんて思わなかった。
かっこ悪いから、泣かないけど。鼻をすする。

「せいぜい受験勉強がんばれよ」

素直に頑張れ、応援してるを言えないおれの全部をわかっているかのように
彼女は笑う、まぶしいくらいに鮮やかに。

「ありがと」

どうしようもなく悲しくて助けが必要な時は電話でもすればいい。逢いに行けばいい。
「きっとずっと、大丈夫」  うん、おれもそう思う。
深呼吸をしたら、そう悪くはない未来の先が見えた。がんばれ、今はそれだけだ。
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