だけれど他の誰でもないアナタの為に
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眩暈がした。
わたしの名前を呼ぶ声、記憶のある洗剤の香り、
へたくそな笑顔も、真っ黒できらきらした瞳も。
あの日々にタイムストリップしたような感覚。
忘れたふりでいたのに、全部覚えてた。
悲しいことにあなたを好きだったことも、
覚えてた、なにも変わってなかった。
そんなはずじゃ、なかったのになあ なんてため息。
元気?と尋ねたら、元気だよ、だって。
そっか、って言ってそれから言葉を紡げないわたしに
おれさ と口を開いたのはあなた。
結婚するんだ、今幸せの絶頂!
そうなんだと笑って見せたけど、内心すごく驚いた。
自分の心臓が随分ずきずき痛んでいたことに。
でも子供じゃないよ、そう自分に言い聞かせて
おめでとう と音にする。
ありがとうと笑う顔はやっぱりわたしの好きな顔で
どうしようもなくなる、いいなあと感嘆する。
さよならをつげて、ほんの少しだけ泣いて
大きく息を吸う、呼吸を続ける。
へたくそな笑顔を思い出して、
折りたたんで宝箱にしまう
わたしもあんな風に笑いたいな、きらきらって、ね
口角をあげて歩こう、風は背中を押す
うん、前にすすめる
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