だけれど他の誰でもないアナタの為に
彼の名前は大熊五郎と言った。名は体を表すというように背が高かった。威圧感もあった。
でも顔はイケメンだった。でも、怖かった。さわやかなんだけど、こわかった。
わたしの名前は小柴由梨恵。生まれてきてから小さいねとしか言われたことがない。
名は体を表すだなんて、ほんと、なんか切なくなる。
花の女子高生にして身長140センチと少し。背の順で並べばいつも前。
せめて二番目とかになってみたい。ささやかな夢。…ささやかすぎる。
事件はいつも通りの放課後におこった。
いつもと、本当になんらかわりのない、火曜日の放課後。
駐輪場に向かっていく途中、目の前に野球ボールが転がってきた。
ころころ、あっちから誰かが「すいませーん」と声をかけるので
とことこ、追いかけてわたしはボールを投げ返す。
西日が眩しくて、その人が誰だかよくわからなかった。
だけど、「いっ…!」と鈍い声が聞こえたのはわかった。
いいことしたなと思ったのもつかの間、近づいてみると、おでこが腫れてる。
…近づいてみると、大熊くんだったことが発覚。
どうやら私のボールが直撃したらしい。
彼も西日で目がくらんでしまったらしい。
他の野球部の方々も集まってくる。がやがや、どうしよー、逃げたい。
とりあえず保健室に行くようなので、わたしもついていく。
無言でてくてく、廊下にならぶ2人。面白いほどの身長差。
ついた保健室で、彼は氷と水がはいったビニール袋をおでこに当てた。
ちゃんとしたとこで見たら、ほんとうに痛そう。
「小柴、」と彼はわたしを見て口を開いた。「わりーな」
「え、うんと、こちらこそ、ごめんなさい」
「いや、明らかにとれなかったの俺の方だから、さ」
「そんなことないです。眩しかったもんね、転がせばよかった…ね」
「はは、ありがと。保健室にまで付き合ってくれて」
そう、大熊くんはにこっと笑った。初めて見た、笑ってる顔。
そういえば同じクラスなのにちゃんと話したのも初めてかも。
イケメンはやっぱり笑ってもイケメンなんだなあ。
ていうか、なんか、怖くない。おでこにビニール袋あててる大熊くん、かわいい。
こんな大きい体で、おでこにビニール袋。
失礼だけど、ちょっと可笑しいかも。
我慢しきれずに、ぷっと笑うと、大熊君は照れたように目をそらした。
じゃあ、ほんとうにごめんね、と言って帰ろうとすると、
先生に「今日は部活やめて帰りなさい。その子送ってあげたら?」と言われた。
…何言ってるのーせんせー、そんなの大熊くん断れないに決まってるじゃん!
どうやら、くまさんとの出会いはそれだけじゃ終わらないらしいです。
さいごは一緒におどるんだっけ?ららら らーらーらーらーらー、みたいな。
でも顔はイケメンだった。でも、怖かった。さわやかなんだけど、こわかった。
わたしの名前は小柴由梨恵。生まれてきてから小さいねとしか言われたことがない。
名は体を表すだなんて、ほんと、なんか切なくなる。
花の女子高生にして身長140センチと少し。背の順で並べばいつも前。
せめて二番目とかになってみたい。ささやかな夢。…ささやかすぎる。
事件はいつも通りの放課後におこった。
いつもと、本当になんらかわりのない、火曜日の放課後。
駐輪場に向かっていく途中、目の前に野球ボールが転がってきた。
ころころ、あっちから誰かが「すいませーん」と声をかけるので
とことこ、追いかけてわたしはボールを投げ返す。
西日が眩しくて、その人が誰だかよくわからなかった。
だけど、「いっ…!」と鈍い声が聞こえたのはわかった。
いいことしたなと思ったのもつかの間、近づいてみると、おでこが腫れてる。
…近づいてみると、大熊くんだったことが発覚。
どうやら私のボールが直撃したらしい。
彼も西日で目がくらんでしまったらしい。
他の野球部の方々も集まってくる。がやがや、どうしよー、逃げたい。
とりあえず保健室に行くようなので、わたしもついていく。
無言でてくてく、廊下にならぶ2人。面白いほどの身長差。
ついた保健室で、彼は氷と水がはいったビニール袋をおでこに当てた。
ちゃんとしたとこで見たら、ほんとうに痛そう。
「小柴、」と彼はわたしを見て口を開いた。「わりーな」
「え、うんと、こちらこそ、ごめんなさい」
「いや、明らかにとれなかったの俺の方だから、さ」
「そんなことないです。眩しかったもんね、転がせばよかった…ね」
「はは、ありがと。保健室にまで付き合ってくれて」
そう、大熊くんはにこっと笑った。初めて見た、笑ってる顔。
そういえば同じクラスなのにちゃんと話したのも初めてかも。
イケメンはやっぱり笑ってもイケメンなんだなあ。
ていうか、なんか、怖くない。おでこにビニール袋あててる大熊くん、かわいい。
こんな大きい体で、おでこにビニール袋。
失礼だけど、ちょっと可笑しいかも。
我慢しきれずに、ぷっと笑うと、大熊君は照れたように目をそらした。
じゃあ、ほんとうにごめんね、と言って帰ろうとすると、
先生に「今日は部活やめて帰りなさい。その子送ってあげたら?」と言われた。
…何言ってるのーせんせー、そんなの大熊くん断れないに決まってるじゃん!
どうやら、くまさんとの出会いはそれだけじゃ終わらないらしいです。
さいごは一緒におどるんだっけ?ららら らーらーらーらーらー、みたいな。
PR
この記事にコメントする

