その瞳に釘付けになった。
言葉の意味通り、身動きが出来なくなった。
茶色の 陽に透けて、まるで地球がそこにやどっているような、そんな瞳。
どうしようもなく 恋におちた。
名前だけは知っていた。顔も知らなければ、クラスも知らなかったけれど。
矢田友生。友と生きる と書いて ゆうき。
よく成績上位者に載っていたのと、画数が少ないシンプルな字面が印象的だった。
だから初めてあの瞳を見た時、ユイに彼の名前を初めて教えてもらった時、
納得したけど、どこか腑に落ちなかった。
なんかもっとこう、眼鏡で七三分けで…っていうありがちな
まじめな人を想像していた私としては、いい意味で裏切られたというかなんというか。
とにかく、想像と違ったのだ。
それからというもの、思い出すのは彼の事ばかり。
すれ違うだけで心臓がドクンと大きく動く。
黒くて綺麗な髪の毛を見るだけで息がつまる。
あの瞳と目が合うと目眩がする。
どんなに人がいようとも、彼の声だけがまっすぐに耳にはいる。
しまいには週に2日ペースで夢にまででてくる。
どんな授業だって頭には入ってこなくて、気づけば彼のことを思考、妄想。
手をつないだら、私の手を小さいねって笑うんだろうなとか
キスをしたら、矢田くんもきっと目をつむるんだろうなとか
付き合ったら優しく勉強教えてくれたりするんだろうなとか とか とか。
正直自分でも気持ち悪いと思うほど、重傷。こまった。
ユイに相談しても「それが恋というものなのだよ」と笑われる。
ユイはわかってない、全部冗談だと思ってる。
今すぐにでも私を見て、この心臓を悪戯にさらって
その瞳で私を壊してくれたって構わない、今矢田くんが口にしたあめだまになりたい
もういっそあなたになってしまいたい。
矢田君の友達が羨ましい。仲良く話す女の子が妬ましい。
私だけを見て私だけを見て わたしだけをみて
ねえどうか、ほらこんなにも あいしているから

