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だけれど他の誰でもないアナタの為に
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実家までのバス、道のりは約3時間とちょっと。
雪のせいで今日はそれ以上に時間がかかるらしいが。
乗ってから、とりあえずすぐ寝た。昨日の夜ほぼ徹夜で、色々やってたし。
目が覚めると、どうやら2時間ほど寝ていたらしい。
隣に少女が座っていた。あー、なんか相席お願いされてたっけ。どうだっけ。
頭がまだはっきりと冴えないまま、窓に目をやると、雪はだいぶやんでいた。
少しでもはやく着くといいな。布団でゆっくり寝たい。

もう一度寝ようかなとうつむいたとき、やけに白くて細い少女の手が目に入った。
思わずそのまま顔を上げて、少女を確認。
本当にびっくりした。
非の打ち所がないほどの美少女。完成されたうつくしさ。
まぶしかった。彼女からまるで光が発せられているんじゃないかと錯覚するほどの、
他にたとえようもない、まぶしさが あった。

しばらく見ていると、彼女は戸惑った顔で「あの…?」と僕に問いかけた。
「すいません」と照れて目をそらしたけれど、声も、きれい。
ほんと、こんな人いるんだ、と感嘆の息をもらすと、隣の気配が消えた。

え…?
と隣を見ても彼女はいなかった。
夢のように、夢から覚めるように、彼女は消えた。
前の席も後ろの席も、その先も探したけれどいなかった。
バス停にとまったわけでもない。彼女は、この場所から 消えた。
夢だったのかと思ったけれど、僕は彼女が隣にいたぬくもりを覚えてる。
ぬくもりだけじゃない。華奢なライン、白すぎる肌、まぶしすぎるその存在。
だけれどどうしても、思いだそうとする度に、僕の記憶から彼女の顔だけ消えていった。
あれだけ見とれていた、あの完成された美しい顔を。
本当にゆめだったのだろうか?、わからない。

もうすっかりやんでしまった、窓の外の雪を見て、
もう一度出会えたらいいのにと、神に祈るようにそればかり考えていた。

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