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だけれど他の誰でもないアナタの為に
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どんなに辛くても苦しくても明日は来ると教えてくれたのは、貴女でした。
だから僕は貴女のために なんていう言い訳付きで、今日を生きることができていました。
それなのに、貴女は何処へ行ったのですか?
冷たい抜け殻と、僕の大好きな笑顔を色濃く残して。
そんなんじゃ足りません。
そんなんじゃ、僕は貴女を許すことが出来ません。

生きろと言ったのは貴女じゃないですか。
なのに貴女は僕をまたひとりぼっちに返すのですね。

何処へ行けというのですか?
こんなに苦しいのに、辛いのに、それでもまだ
僕は生かされなければならないのですか?

もし貴女の心が、まだ僕の心臓のものだとしたならば、教えてください。
イエスかノーか。それ以外の答えを。
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まつげの間に挟まったモノクロは、潰れて滲んで、世界を映すことを忘れました。
アナタを失くした私のこころは、辛いと 苦しいと 笑っているのに。


こんな眩しい月の下で泣いているのは私だけ。

ねえ、だから迎えに来てよ。
無音の返事は、やがて白に染まって消える。


もしもね、もしもだよ。
私があの時あんな言葉を紡がなければ、今こんなにさめざめと泣くことも
隣にアナタの居ないこの現実すらも、なかったんじゃないかなと思うの。
それでも、今はもう変えられないって どうして気づいてしまっているのだろう。

ミモザは踊る。
零れて地上へ舞い降りる。きらり、月の光をまといながら。
いつだって、いっとうに伝えたい気持ちばかりが、言葉にならない。
僕は相変わらずへたくそな日本語だよ。
それでも、相変わらず、僕なりの精一杯で生きてるよ。
きみは、どうしてるかな?

出会えたのは奇跡、さよならは必然。
わかってたんだ。悲しくなんか、ないはずだったんだ。
いつだって「あれもだめ」 「これもだめ」 のきみのわがままには
もう疲れていたはずだったんだ。

時間はどうして戻せないのだろうか。
きみは、どうして戻ってこないのだろうか。

そうだ、こうしよう。
きみがさよならの時、僕に好きだと言った理由を当てれたら戻ってきてよ。
あてずっぽうでたくさん言うからさ、よく聞いててね。
それでもし当たってたらさ、なんにも言わなくて良いから、
何事もなかったかのように、茶色の扉、きいって音鳴らして僕に笑ってね。

人間ってそれぞれひとりしかいないけど、
きみと出逢って、僕はひとりじゃないって知ったんだよ。

伝えたい言葉があるんだ。「ありがとう」って。
きみの好きな熱いコーヒー用意してまってるからさ。
「ただいま」って、「おかえり」って。また一緒にコーヒー飲もう。
はっ、と起きて思い出した。
目が覚めて天井をみたら、まるでそこに文字が書いてあったかのように。
急いで起きて髪の毛巻いてマスカラして、
遠い昔の、だけど大切にとっておいたピンキーリングをはめて、待ち合わせ場所へと急ぐ。
10年とすこし前の約束。
「もし僕らが約束を覚えていたら」だなんて不確かな約束。
彼が来るかもわからない。わたしも朝ふと思い出すまで忘れていたし。

それでも早まる足もと。
顔、わかるかな?変わってないかな?
会って最初になんて話そう。
会えるかもわからないのに、そのことばかり考えている。
どきどき、どきどき、なんか うれしい。

最後の曲がり角を曲がると、太陽が笑った。彼だけを照らした。
久しぶりに会う彼は別人のようだったのに、どうしてか一瞬でわかった。
人気者でいつもくしゃくしゃに笑って、わたしのあこがれだった彼。
いま、ふたたび目の前にいる。
最初になにを話そう、と必死で考えていたのに、言葉がでない。
右手を伸ばして微笑む彼の手をとる。なんか、ドラマみたい。

あの頃思い描いていた未来はちゃんと、ここで待っていてくれた。
今なら空も飛べそう。
彼がそう言って、私も笑って。
二人で歩くこの道の先にもきっと、思い描く未来がある。
繋いだ体温が、そう教えてくれた。
ずっと、変わらずにおれの隣にいたんだ。
一通メールしただけで、すぐに呼び鈴が鳴るほど、近くで生きていたのに。

「東京の大学に、行こうと思う。」

ばかじゃねえの、と思った。
「大学ならこの辺にだってある」と言ったおれの言葉は
彼女の強い意志の前だと何の意味も持たない。
東京でしかできないことがある、そうまぶしい瞳で言われた。
焦って、困って、途方に暮れているおれに対して絵美の表情は
少し困ったような笑顔だったんだけど、揺るがない瞳を潜めていた。
おれに好きだと言った時のようだ、と思った。少し違うかも知れないけど。
ずっと変わらないという意志のもとの、瞳。

「じゃあ…遠距離?」
「うん、智也がよければ、そうしたい」
「よければって、もう行くことは決めたんだろ?」
「ははは。そうなんだけどね」

そっか、と何度も繰り返す僕に絵美は突然にっこりと、笑う。

「ともや、すきだよ。変わらないよ。きっとずっと、大丈夫」
「…そうなんだけど」
「不安?」
「まあね。」
「寂しい?」
「そりゃあね」
「智也浮気しないでね」
「するかも、とか言って」
「できないくせに」
「…おれ嘘つけないしね、」
「わたしにめろめろでしょう?」
「あーはいはいそうです めろめろです、めろめろー」
「…浮気、ほんとにやだよ」
「しねーよ。」
「そっか、んっと…ありがと」

彼女の手を掴んで、ずっと離さないでいれたらどんなに幸せなんだろう。
いや、それって幸せなのか?おれは束縛ヤローなのか?
でも今泣きそうだ。
だめだ、絵美がいない未来を現実的にぶつけられる日がくるなんて思わなかった。
かっこ悪いから、泣かないけど。鼻をすする。

「せいぜい受験勉強がんばれよ」

素直に頑張れ、応援してるを言えないおれの全部をわかっているかのように
彼女は笑う、まぶしいくらいに鮮やかに。

「ありがと」

どうしようもなく悲しくて助けが必要な時は電話でもすればいい。逢いに行けばいい。
「きっとずっと、大丈夫」  うん、おれもそう思う。
深呼吸をしたら、そう悪くはない未来の先が見えた。がんばれ、今はそれだけだ。
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